大切な人と死別した経験について

私は以前、お付き合いしていた方と死別したことがあります。

死別から立ち直れる日がくるのかと不安になったこともありますが、あれから時が過ぎた現在は、死別から完全に立ち直ることができました。

ここでは、私が大切な人と死別したときの体験について書いていきます。

目次

同棲していた彼が急逝しました

彼は穏やかで包容力がある人で、出会ったときから、初めて会ったとは思えないような居心地の良さを感じました。仕事でも尊敬でき、私のことを理解してくれる大切な人でした。

同棲して5年ほどが経ったある日、2人で外出していると、今まで元気そうだった彼が突然苦しそうに倒れこみ、救急車に運ばれて病院で亡くなりました。

救急車の中や病院で待っている間も、私はきっと大丈夫だと信じていたので、目の前で起きている現実があまりに信じられませんでした。悪夢なら早く覚めてほしい、彼が死ぬはずがないと思っていたのです。

医師から心臓の病で亡くなったことを聞き、寝かされているまだ少し温かい彼に触れました。

病院にいる時はとにかく混乱していて、しんと静まった一人きりの家に帰ったとき、強い感情の波と共に涙が溢れてきました。

大切な人を失った後の変化

大切な人との死別によって、自責の念と後悔、悲しみ、喪失感、絶望、孤独、さまざまな感情に襲われました。

こうなる前に、何か自分にできたことは無かったのだろうか?

これまでの自分の言動を振り返っては、自分を責め続け、もっとこうしていればよかったと後悔が押し寄せてきました。

突然のことで最期の言葉などもなく、ただ側に居られたことは不幸中の幸いだったと思います。

その頃、知人から仕事の誘いを受けたので、仕事や人間関係、住む場所など、すべてが新しく変化していきました。

死別によってこんなに環境が変化するとは思っていませんでしたが、まるですべてを一度リセットしたかのような状態が始まったのです。

新しい環境で心が救われる部分もあり有難かったのですが、死別から立ち直れていない中での慣れない環境の変化で、身体的・精神的な負担も大きかったことを覚えています。

気づけば体重が7キロ減って、生まれて初めて顔全体が真っ赤に痛々しく肌荒れし、治るまで一年ほど皮膚科に通いました。(ストレスで自律神経がおかしくなっていたのかもしれません)

死別から立ち直るまでの道のり

死別から立ち直るまでには時間が掛かりました。

それでも、死別から1年、3年と経つにつれて、少しずつ悲しみや苦しみが和らいでいったのは確かです。

死別から3、4年くらいの頃は、彼の写真を見ると当時の感情に引き戻されてしまい、心に暗く重いものをずっしりと感じていたので、しばらくの間はあまり見ないように意識していました。

あの日のこと、死別による体験は、一生忘れることはありません。

それから5年くらい経ったころ、ようやく彼の写真を穏やかな気持ちで見られるくらい立ち直れていました。

それまでの間には色々なことがありまして・・・

自分に寄り添ってくれて、死別の体験もすべてを丸ごと受け入れてくれる優しい人とのご縁があり、その人は現在の私のパートナーです。

これまでのことを振り返ると、大切な人たちやペットに支えられ、癒されながら、なんとか生きてこられました。

死別したときにも側に居てくれたペットの存在が無ければ、すべてに絶望していたあの日に、生きる気力を失っていたかもしれません。

さらに時が経った現在は、死別から完全に立ち直ったと思えるようになりました。

死別の苦しみ、悲しみは、時間が癒してくれます。

私の場合、死別から完全に立ち直れた最後のきっかけは、彼との思い出の写真や物を少しずつ手放したことです。

写真はスマホに撮ってから処分すれば、必要な時にいつでも見返すことができます。

物理的に手放して、普段は目に入らない状態にすることが、心をいつまでも過去に縛り付けないために有効でした。

自分がそれを見たときに、心にずっしり重いもの、暗いもの、つらさを感じるものは無くすか最小限にして、納得しながら徐々に手放していったら、本当に胸のつかえが取れて、前に進んでいける感覚がしたのです。

こうして死別について書けるようになったのも、彼との思い出が詰まったある物を、感謝を込めて手放したことがきっかけでした。物を手放しても、大切な思い出はずっと心に残ります。

死別の経験から学んだこと

大切な人を亡くしたことで、まるで地獄のような苦しみを味わうことになりました。

できることならもう経験したくはありませんが、生きていればいつか誰もが死ぬことになります。

命の尊さを改めて感じ、今生きていられることを常に感謝を忘れずにいようと強く思いました。

また死別の経験をしたことで、これから先、多少の苦しいことや辛いことが起きたとしても、あの苦しみを乗り越えられた自分なら、きっと乗り越えることができると思えるようになったのです。

そして、死別した時のどん底の中で、自分を支えてくれた人たちや愛するペットにとても感謝しています。

死別の絶望の中にいる方へ

大切な人との死別により、立ち直れる日なんて来ないんじゃないかと思う毎日だとしても。

時間の経過と共に自然に心が癒され、一歩ずつ立ち直っていける日が訪れると思います。

その日が来るまでは、無理やり頑張って立ち直ろうとしなくて大丈夫です。

自分のありのままの感情を大切にし、自然に任せてみましょう。

少し先の未来では、あの時の経験があったから今の自分があるのだと思える日がくると思います。

この記事が少しでもお役に立てましたら幸いです。

お読みいただきありがとうございました。

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